GEの危機?

昨晩のNY市場では、GEにも信用不安の噂があったそうです。GEは言わずと知れた優良企業で、AAA(S&P)/Aaa(Moody's)の格付けを有しています。もちろん、GEの傘下にはGEキャピタルという金融部門がありますので、少なからぬ資産の劣化は予想していましたが、今回の金融危機とは縁遠い存在と考えていました。


しかし、火の無い所に煙は立たないもので、GEは150億ドルの増資に踏み切ることとなり、うち30億ドルをウォーレン・バフェット氏が優先株の形で引き受けるそうです。GE程の企業でもかなり危ない綱渡りを強いられていたのですね。


それにしても、NY市場では一時、同社のCDSがL+700程度の水準まで売り込まれたそうで、クレジットクランチもここに極まれり、という状態だったようです。信用危機については、97年の国内金融危機、98年のロシア危機、2001年のエンロンを経験しているので、私自身はかなり不感症になりつつあると自覚しているのですが、それでも、市場の暴力による一時的なオーバーシュートには肝を冷やしますね。


2001年の信用不安の時は、エンロンワールドコムなどが倒産したのですが、国内の企業でも、日産自動車日本鋼管住友金属、丸紅などがかなりの窮地に追い込まれました。ただ、2002年の2Q辺りから金融市場が正常化し始めると、急速に信用スプレッドは縮小しました。特に丸紅債はその年のベストパフォーマーになったと記憶しています。今回のGEもそれと同じ匂いがします。今回の増資により格付けの維持は可能だと思われますので、
L+700を買えた人は来年半ばには良い思いが出来ることでしょう。