松林図屏風


 以前から観てみたいと思っていた、長谷川等伯「松林図屏風」が公開されていましたので、初めて東京国立博物館に行ってきました。


 「松林図屏風」はさすがに近世水墨画の最高傑作とされるだけに、聞きしに勝る素晴らしさでした。近くで見ると、松は大胆な筆致で描かれているにも関わらず、遠くから画に向き合うといかにも儚げで、朝靄に包まれて幽玄の世界に誘われるような気持ちになります。そして、深い虚無感や人の世を生きることの悲しみのようなものが、心の中に立ち上がってくる気がしました。展示室は休日ということで結構な人混みでしたが、人目を憚らずに涙ぐんでしまいました。まさに眼福でした。


 その他には新春特別公開として、尾形光琳の「風神雷神図屏風」も展示されていました。こちらも、構図やデフォルメの仕方など、眺めていても飽きない作品です。しかし、こんな贅沢な目の保養をしながら、お代が600円とは・・・安過ぎます。今回は昼過ぎに入館したのですが、17時の閉館までに全てのフロアを観ることができませんでした。今度は家族を連れてゆっくりと観覧したいものです。


 閉館後は銀座に赴いて、鳥政で焼き鳥。大将に顔を覚えてもらうには、あと何回位通えば良いのやら・・・本日は、お任せの串6本に加えて合鴨と銀杏を頂きました。その後、バー66に新年のご挨拶。軽く飲んで帰るつもりでしたが、左右のお客さん(初見)と盛り上がってしまい、終電で帰宅となりました。