日銀が0.2%利下げ


本日の日銀金融政策決定会合の結果は以下の通りとなりました。


14時直前に発表されたのですが、通常に比べると遅い時刻ということで、もしかして利下げ見送りか?みたいな思惑で債券先物などは売り込まれていました。発表直後の私の同僚たちの反応は、「0.2%って何? 中途半端〜(失笑)」って感じでしたね。0.25%の整数倍ってのが、先進国ではデファクトスタンダード化していたと思うのですが・・・


まあ、当座預金への付利をやっちゃったので、その利率である0.1%が実質的な誘導目標の下限となるため、(0.5%−0.1%)÷2で0.2%ってことなんでしょうが、あんまり変な刻みだと、将来の利下げ確率とかをOISや金先から計算するのが著しく面倒になりますなぁ。


それにしても、日銀の「市場との対話」という点では、すっきりしない利下げですね。10月27日の山口副総裁の就任会見では、


「現在の政策金利0.5%という水準については、日本の経済成長率や物価上昇率との関係からみて極めて低い、緩和的な水準が維持されていると認識しています」


などと述べられていましたので、日銀の頑迷なまでのタカ派姿勢を市場参加者は感じたはずです。にもかかわらず、ブラックアウト期間直前に日経新聞1面に(リークっぽい)観測報道が出て、一気に市場が利下げを織り込む。そして、実際に利下げが行われる。日銀幹部の皆様におかれましては、こんな拙い「市場との対話」でよろしいのでしょうか? これでは、2007年2月の利上げ時のグダグダな状態から何も進歩していないように思われます。


もちろん、政府の経済対策発表に合わせて「日銀も援護射撃を!」という政治的圧力が陰に陽にかかったであろうことは容易に想像されますし、29日の米国利下げによる金利平価的な円高圧力を緩和する必要もあるのかも知れません。しかしながら、手順を省略して新聞報道一発で市場を誘導するのは、とても先進国の金融政策とは思えません・・・


それから、利下げの採決に関して「賛成4人/反対4人で総裁が裁定」みたいな報道が多いのですが、反対した4人のうち、「利下げに反対」したのは須田審議委員のみで、その他の3人は「0.25%利下げ」を主張したのですから、実質的には「7対1」で利下げ決定とするのが正しいはずです。マスコミ各社におかれましても、ミスリーディングな報道には注意頂きたいものです。


また、与謝野大臣におかれましては、日銀も泣く泣く利下げしたのですから「象徴的な意味しかない」とか言わないであげて下さいね。


ようやく3連休ですね。家族で義父の別荘に行く予定です。ゆっくりと温泉に浸かって、リフレッシュしたいと思います。